雑記帳

ことばのちから

儚げなストレート

衝撃のニュースであった。

私がプレイングに納得できずにゲームをやめ、寝る前のルーティンであるTwitterを見るという作業をしたら「えっ?」と思わず声を出してしまった。

 

大園桃子・乃木坂卒業、芸能界引退である。

なぜか心の整理ができない。桃子ちゃんのことは別に推させてもらってるわけではないけれど、久々にグループからの卒業と聞いて『寂しい』と、そう思った。

僕がヲタクを始めてからもう6年ほどが経とうとしている。3期生のオーディションSHOWROOMはリアルタイムで見ていたし、それ以降自分のヲタク時間とほぼ同じ年月を乃木坂として活動しているのだから、余計に3期生に親近感が湧いているのかもしれない。

数々の「○○○○に関しまして」を見てきた。

西野七瀬井上小百合伊藤万理華生駒里奈桜井玲香白石麻衣深川麻衣堀未央奈松村沙友理

もちろん全員に対して「あ、卒業しちゃうんだ…」と感じたものの、ここまでぽっかりと穴が空いたような気分になったのは久々だった。

【いつのまにか、ここにいる】を見て一気に僕は彼女に引き込まれた。映画の中でこのような場面があった。

 

桃「卒業すると分かっていても大好きな人と離れるのはつらい」

  監督「そういう痛みにも慣れてくるのか麻痺してくるのかな」

桃「会えないことに強くなる必要ありますか?」

 

真っ直ぐで、素直。

これこそが彼女の魅力なのではないか。

与田がじゃんけんに負け、西野の代役センターとしてライブで披露することが決まった時も、桃子ちゃんは勝ったことによる安堵と与田の顔を見て「にやにや」と微笑んでいた。

こんな場面も彼女の人としての良さ、らしさを感じた部分だった。

のぎおびにて、まいやんから「30秒で私への愛を語って」という宿題に対して

『お姉さま(白石)は生田さんや松村さんが大好きだからちょっと心が寂しい…でも、大好き。大好きだったら、片思いでもいいかな?って思ったりするよね

と想いをこんなにも形にして、1分以上も熱弁してた。

思ったことは口にするけれど、そこにはブレなど一切なくて、ずーっと真っ直ぐ。

その芯のある性格が多くの人をこんなにも寂しくさせたのかな。

 

 

桃子ちゃんはこの世界にいることを向いていないと評価している。アイドルではない、と。

映画でも「自分はつくづくアイドルに向いてないと思うけど、ライブとかで素の自分を受け入れてもらえていると思うと嬉しい」と語る。

さらに彼女は「私は普通なんです」と言った。

アイドルは憧れに寄せていかなきゃならないけど私にはそれがない、と。

こう言えるのも彼女の中にある素直さが表れたものだと感じた。

こんなにも合わないと言っていても、5年間も乃木坂にいてくれた。それはなぜか。

桃子ちゃんはとっても、とっても優しいから。

これに尽きると思う。

人生は数ある選択肢の連続。どれを選ぶかによって一気に盤面が変わるのに、あえて乃木坂という一般人には経験できない場所に来てくれた。

僕らヲタクがこうして応援できるのも、桃子ちゃんの優しさがあるからだったり。

 

5年間も乃木坂にいてくれて、本当にどうもありがとう。

お疲れ様。

 

7月3日は奈々未の日。

卒業と共に芸能界を引退した、僕にとって永遠であり伝説のアイドル。

彼女は後ろ手でピースしながら新たな世界へ歩みを進めた。

大園桃子もまた、この世界にサヨナラを告げる。

いつか振り返ったとき、今度は笑っていてほしい。

 

『乃木坂も悪くないなって思った』と。

あわよくば

『乃木坂にいてよかった』と。